彼に言えない私の仕事

私には婚約をしている彼氏がいます。彼は食品会社の営業マンをしています。とても誠実で、一緒にいて凄く楽しい人なので、私は彼が大好きです。

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私はというと、彼には本屋でアルバイトをしていると言ってあります。しかし、それは真っ赤な嘘なのです。私の本当の職業は女子プロレスラーなのです。彼はプロレスになんて興味がないから知らないけれど、私は女子プロの世界ではかなり有名な選手なのです。回りがブスばっかりなので、ごく普通の顔をしている私が可愛くみえるらしく、ユニットを組まされてCDを出したことさえあります。それでも、彼は私の本当の仕事を知りません。


女子プロは地方遠征などもしょっちゅうです。そんな時は「社員さんと一緒に地方にある本屋の偵察に行ってくる」などと適当なことを言っておきます。疑うことを知らない彼は「大変だね、いってらっしゃい」と素直に送り出してくれます。

二人の休みが合ったある日、買い物に行こうと駅に向かっていたら、いきなり若いお兄さんに「もしかして、クリスタル彩さんですか?」と声を掛けられました。クリスタル彩とは私のリング名です。本名が栗田彩子なので、少し文字って。私が「いいえ、違います」と慌てて否定すると、その男性は「すみません」と言いながらそそくさと去っていきました。彼は「クリスタル彩って何だろうね。プロレスラーの名前かね。だっせ~。俺、プロレスほど嫌いなものないんだよね~」と言い放ちました。そうなのです。言葉は悪いですが、彼はああいう野蛮なスポーツを一番忌み嫌うタイプの人間なのです。

和歌山県教育委員会:給与課

冷や汗が出ました。彼にバレて結婚が破談になる前に、そろそろ女子プロを引退しようと思った出来事でした。